羽生竜王と藤井聡太五段(2月1日に五段に昇段)の公式戦初対局が決まりました。
第11回朝日杯将棋オープン戦の準決勝で2月17日(土)です。
この2人、公式戦では初対局ですが、非公式戦で2回対局しています。
公式戦前にその2局のポイントを振り返ってみます。
非公式戦ながら藤井四段と羽生三冠(いずれも当時)の初対局となったのは、AbemaTV「藤井聡太四段 炎の七番勝負」の第7局。
これはその名のとおり、中学生棋士としてプロデビューした藤井聡太四段のための企画です。藤井四段が7人と対局するもので、その7人目が羽生三冠でした。
ちなみに、第6局までで藤井四段の成績は5勝1敗。
若手実力者からA級棋士まで相手にいる中での大健闘です。
で、迎えた第7局。
振り駒の結果、藤井四段の先手となり角換わりに進みます。
局面は▲2五歩△3三銀のあとに▲4五桂で藤井四段が仕掛けたところ。
このあと角桂(藤井四段)と金(羽生竜王)の交換となります。
無理攻めのように思えたのですが、第二波の攻めが続いて、藤井四段の勝利となりました。
2回目の対局となったのは「第零期獅子王戦」の決勝戦。
こちらは映画「3月のライオン」公開にあわせて行われた企画です。
この対局で先手となったのは羽生三冠。
▲7六歩△8四歩の出だしから3手目に▲1六歩とした羽生竜王。
△3四歩に▲6六歩と角道を止めて、羽生竜王は飛車を振りました。
穴熊を目指す藤井四段に対して、羽生三冠は「藤井システム」を採用。
藤井四段相手に藤井システムって魅せますね〜。
藤井システムとは、藤井猛九段が開発した指し方です。
詳しくは「じゃないほう」の藤井九段による藤井システムをご覧ください。
31手目▲2五桂で仕掛けたのが羽生三冠。
1局目と同じように仕掛けは「桂跳ね」でした。
長い戦いとなりましたが129手で羽生三冠の勝利。
これで非公式戦の対戦成績は1勝1敗となりました。
公式戦初対局は「どちらが先手か」「戦型」「仕掛け」に注目したいところです。