2017年5月に新しくタイトルとなることが発表された「叡王戦」の仕組みについて解説。
「叡王」は「えいおう」と読みます。
「えいおう」と入力して変換しても出てこない単語ですよね。
「叡王」の「叡」は「叡智(えいち))の「えい」です。
将棋にはこれまで名人、竜王などのタイトルが全部で7つあまりましたが、8つめのタイトルとして加わったのが「叡王」。タイトルが新しく加わるのは34年ぶりです。
叡王戦としては2015年から行われていますが、2015年の第一期、2016年の第二期はその期限りのトーナメント戦で行われました。
これが2017年の第三期からはタイトル戦となり、優勝者が「叡王」となり、翌第四期以降は挑戦者とタイトルをかけて「叡王戦」を戦うことになります。
将棋のタイトルには序列があり、第1位は竜王、第2位が名人です。
この序列はタイトル戦の賞金により決められています。
竜王戦が誕生したときに、名人が序列1位でなくなることに論争がありましたが、いまでは竜王が序列1位、名人が序列2位と定着しています。
新しくできた叡王は序列3位。
8大タイトルの中でも竜王と名人は他のタイトルとは別格なので、序列3位というのは他のタイトルの中でトップというわけです。
叡王戦も他の棋戦と同様にタイトル戦は年に1回。
その1回に向けて、1年間かけて挑戦者決定戦が行われます。
6月〜10月 | 段位別予選 |
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11月〜翌1月 | 挑戦者決定トーナメント |
3月〜5月 | 叡王戦(7番勝負) |
叡王戦は予選が段位別に行われることが他の棋戦と違う特徴のひとつです。
段位に応じて挑戦者決定トーナメントに進める枠が決まっています。
佐藤天彦第2期叡王は段位別予選は免除され挑戦者決定トーナメントから出場。
予選の四段戦(2017年)は19名(女流1名、アマ1名含む)で争われ、藤井聡太四段がトーナメントを勝ち抜いています。
第3期はこのトーナメントの決勝戦がタイトル戦(7番勝負)となります。
トーナメント(決勝以外)の持ち時間は3時間。
対局開始が15:00。
対局はニコニコ動画で中継されるので、平日の帰宅後に中盤から終盤にかけての戦いがライブで見られるように対局開始が15:00になっているようです。
七番勝負は持ち時間が「第1、2局」「第3、4局」「第5、6局」「第7局」で異なるのが他の棋戦にはないユニークなところ。
第7局は持ち時間6時間と決まっており、その他の対局は上記「A,B,C」の中から振り駒により対局者が決定することになってます。