
2023年度叡王戦の挑戦者が振り飛車党の菅井竜也八段に決まりました。
タイトル戦に振り飛車党の棋士が登場するのは久しぶり。
藤井叡王にとってもタイトル戦で振り飛車党の棋士と対局するのは初めてになります。
挑戦者の菅井竜也八段は元王位のタイトルホルダーで現A級棋士の実力者。
藤井六冠は先手番で異次元の強さを誇っていますが、菅井八段も負けてません。
菅井八段はタイトル戦に限れば先手番では負けなしです。
2017年王位戦(対羽生善治王位) | 先後 | 勝敗 | 戦型 |
---|---|---|---|
第1局 | 後手 | 〇 | 三間→向かい飛車(角交換) |
第2局 | 先手 | 〇 | 三間→向かい飛車(角交換) |
第3局 | 後手 | ● | 三間→向かい飛車(角交換) |
第4局 | 先手 | 〇 | 中飛車→対向かい飛車 |
第5局 | 後手 | 〇 | 三間飛車(角交換) |
2018年王位戦(対豊島将之棋聖) | 先後 | 勝敗 | 戦型 |
第1局 | 先手 | 〇 | ゴキゲン中飛車 |
第2局 | 後手 | ● | 向かい飛車 |
第3局 | 先手 | 〇 | ゴキゲン中飛車 |
第4局 | 後手 | ● | 四間→三間飛車 |
第5局 | 先手 | 〇 | 向かい→三間飛車 |
第6局 | 後手 | ● | 四間飛車(相穴熊) |
第7局 | 後手 | ● | 四間飛車(相穴熊) |
防衛戦となった2018年の王位戦はすべて先手番のほうが勝つ先手番シリーズでした。
藤井叡王とのシリーズは第1局の振り駒から注目です!
日程 | 対局場 | 場所 | 結果 | |
---|---|---|---|---|
第1局 | 4月11日(火) | 江戸総鎮守 神田明神 | 東京都千代田区 | |
第2局 | 4月23日(日) | 名古屋東急ホテル | 愛知県名古屋市 | |
第3局 | 5月6日(土) | か茂免 | 愛知県名古屋市 | |
第4局 | 5月28日(日) | 浄土ヶ浜パークホテル | 岩手県宮古市 | |
第5局 | 6月17日(土) | 柏の葉カンファレンスセンター | 千葉県柏市 |
菅井八段がタイトル戦に登場するとなると、タイトル戦でゴキゲン中飛車が見られそうですね。しかも、相手は藤井叡王。ゴキ中党にとっては楽しみな対局です。最近のタイトル戦でゴキゲン中飛車が指された対局を調べてみました。
タイトル戦 | ゴキゲン中飛車を採用した棋士 | 先後 | 勝敗 | 相手棋士 |
---|---|---|---|---|
2020年王座戦第5局 | 久保利明九段 | 後手 | ● | 永瀬拓矢王座 |
2020年王座戦第2局 | 久保利明九段 | 先手 | 〇 | 永瀬拓矢王座 |
2019年王将戦第3局 | 久保利明王将 | 後手 | ● | 渡辺明棋王 |
2019年王将戦第2局 | 久保利明王将 | 先手 | ● | 渡辺明棋王 |
2019年王将戦第1局 | 久保利明王将 | 後手 | ● | 渡辺明棋王 |
2018年王位戦第3局 | 菅井竜也王位 | 先手 | 〇 | 豊島将之棋聖 |
2018年王位戦第1局 | 菅井竜也王位 | 先手 | 〇 | 豊島将之棋聖 |
2017年竜王戦第3局 | 羽生善治棋聖 | 先手 | ● | 渡辺明竜王 |
段位はいずれも当時
やはり、振り飛車党の久保九段、菅井八段が多いのですが、羽生九段も2017年の竜王戦(永世七冠を達成したシリーズ)でゴキゲン中飛車を採用していました。
菅井八段のタイトル戦での藤井叡王相手のゴキゲン中飛車がどんな一局になるか注目です。
年 | タイトルホルダー | スコア | 挑戦者 |
---|---|---|---|
2022 | 藤井聡太 | 3−0 | 出口若武 |
2021 | 豊島将之 | 2−3 | 藤井聡太 |
2020 | 永瀬拓矢 | 3(2持)4 | 豊島将之 |
2019 | 高見泰地 | 0−4 | 永瀬拓矢 |
年 | 対局者 | スコア | 対局者 |
---|---|---|---|
2018 | 高見泰地 | 4−0 | 金井恒太 |
2018〜2020年は7番勝負、2021年以降は5番勝負。勝者
叡王戦はスポンサー変更もあり第6期(2021年)から仕組みが変わりました。
現在は下記の仕組みで行われています。
2017年に新しく出来たタイトル戦が「叡王(えいおう)戦」です。
将棋でタイトルができたのは34年ぶり。
叡王戦が誕生したことで将棋界は8大タイトルとなりました。
(竜王、名人、叡王、王位、王座、棋王、王将、棋聖)
このタイトルには序列が決まっていて叡王は序列3位。
序列は将棋連盟と主催者の契約金の金額で決まるので、新しく誕生したばかりの叡王戦ですが序列では3位となっています。
2017年にタイトル戦となった叡王戦ですが、第1回が行われたのは2015年。
プロ棋士によるエントリー制でトーナメント戦が行われました(ノンタイトル戦)。
決勝3番勝負は、郷田真隆九段対山崎隆之八段戦。
2連勝した山崎八段が初代「叡王」となりました。
「叡王」とコンピューターソフト戦の王者が戦うのが「電王戦二番勝負」。
2016年に第1回「電王戦二番勝負」が行われました。
結果はコンピューターソフト「PONANZA」の2連勝。
トッププロがコンピューターソフトに負けたと大きなニュースになりました。
第2回叡王戦の予選が始まったのは2016年5月。
本選を経て、12月の決勝に進んだのは佐藤天彦名人と千田翔太五段。
決勝三番勝負で2連勝した佐藤名人が第2期叡王となりました。
叡王となった名人は第2回電王戦で「PONANZA」と対戦。
名人が将棋ソフトと対戦するということで大きな注目を浴びました。
結果は将棋ソフト「PONANZA」の2連勝(2017年)。
将棋ソフトの進化を見せつける結果となりました。
2017年5月に新しく始まる第3回から叡王戦がタイトルとなることが発表されました。
段位別の予選が行われるのが6月から10月。
本線トーナメントが11月から1月に行われ上位2名で七番勝負。
七番勝負は2018年3月から行われます。先に4勝したほうが「叡王」となり、翌年からはトーナメントを勝ち上がった挑戦者とタイトル戦を行うことになります。
叡王戦のユニークなところは持ち時間。各棋戦ごとに持ち時間は決まっているものなのですが、叡王戦では3種類の中から棋士が選びます。
第1局で先手となった棋士が第1局と第2局の持ち時間を(A)から(C)の中から選択。第3、4局はもう一方の棋士が第1、2局で選ばれなかったものから選択。
第5、6局は第1局から第4局までで選ばれなかったもの。
第7局は持ち時間6時間となります。
どの持ち時間を選ぶかもタイトル戦では注目の的となりそうです。