【完全版】将棋「鬼殺し」とは?破壊力抜群の手順と防ぎ方を徹底解説・3つのポイント

【完全版】将棋「鬼殺し」とは?破壊力抜群の手順と防ぎ方を徹底解説・3つのポイント

将棋を始めたばかりの頃、複雑な定跡を覚えるのに苦労して「もっと簡単に、スカッと勝てる戦法はないの?」と思ったことはありませんか?そんな方に試していただきたいのが、将棋界屈指の奇襲戦法「鬼殺し(おにごろし)」です。

 

決まった時の破壊力は抜群で、相手の陣形をあっという間に崩壊させる爽快感は他の戦法ではなかなか味わえません。この記事では、初心者の方でもすぐに実践できる「鬼殺し」の鮮やかな手順から、相手に防がれた時の対策、そしてこの戦法に隠された奥深い歴史までを徹底解説します。

 

破壊力抜群!奇襲戦法「将棋 鬼殺し」とはどんな戦法?

「鬼も逃げ出す」が名前の由来!圧倒的な攻め味が魅力

鬼殺し」という、一度聞いたら忘れられないインパクトのある名前。
その由来は、「あまりの破壊力に、恐ろしい鬼でさえも逃げ出してしまう」というところから来ています。

 

序盤の早い段階で、こちらの駒をダイナミックに前線へ送り込み、相手が陣形を整える前に一気に急所を突くのが特徴です。ハマった時の破壊力は文字通り「鬼級」です。

 

プロの公式戦では出ない?アマチュアに愛される理由

実はこの「鬼殺し」、プロ棋士の公式戦で指されることは滅多にありません。
なぜなら、プロレベルになると防ぎ方が完全に確立されている「ハメ手(奇襲)」の一種だからです。

 

しかし、アマチュア同士の対局、特に持ち時間の短いネット将棋や、仲間内でサクッと指す時には絶大な威力を発揮します。対策を知らない相手であれば、ものの数分で勝負を決めてしまうことも珍しくありません。

 

将棋「鬼殺し」の鮮やかな手順と決まった時の狙い

それでは、実際に「鬼殺し」の魔法のような手順を見ていきましょう。先手番(自分が先に指す)を想定しています。

 

鬼殺しの基本的な指し方


▲7六歩△3四歩に▲7七桂(図1)で鬼殺し発動です。
△8四歩には▲6五桂(図2)でドンドン行きます。ふり返るな!それが鬼殺しだ。

 

(図2)は▲5三桂不成を狙っているので、△6二銀と5三の地点を守ります。。

以下、▲7五歩と続けるも、△6四歩(図3)で桂馬が取られそう…。
「桂馬の高飛び歩の餌食」となってしまいそうですが、そこで▲2二角成△同銀▲5五角で図4。

 

後手は図4で2二の銀取りを受けなければならないので、△3三銀。
そこで、▲6四角(図5)と歩を取れば桂馬が助かり、さらに次の▲5三桂不成△同銀▲同角成の狙いも残ります。

 

後手は5三を守るべく△5二金右としますが、▲7四歩が追撃の一手(図6)。

△7四同歩は角で飛車が取られてしまうので、鬼殺しが決まった形になります。

 

AIが発見した鬼殺し対策

上で解説した手順には、AIが発見した鬼殺し対策がありました。
それは図4以降での後手の指し手。

図4から△3三角(図7)とするのがAI流の鬼殺し対策。

 

以下、▲6四角に△7七角成(図8)として王手をかけてから▲6八銀に△4四馬(図9)と引いて5三の地点を守るという狙いです。

 

ただ、これには▲7四歩と攻めていって初心者同士なら混戦。
混戦になればわかりやすく攻めてるほうが有利です。

 

なぜ将棋「鬼殺し」は初心者の最初の戦法としてオススメなのか?

覚える手順が短く、複雑な定跡の暗記が不要

大人が新しく将棋を始めようとした時、分厚い定跡書を読んで何十手もの手順を暗記するのは大変です。
しかし、鬼殺しなら、覚えるべき最初の仕掛けの手順はほんの数手

 

「とりあえず桂馬を跳ねて、歩をぶつける」という明確な狙いがあるため、対局中に「次は何を指せばいいんだっけ?」と迷うことが少なくなります。

 

自分のペースで一方的に攻める「楽しさ」が味わえる

将棋を始めたばかりの頃は、どうしても相手の攻めを受ける(守る)展開になりがちで、ジリ貧になって負けてしまうことが多いものです。

 

鬼殺しは、自分から主導権を握って攻め込む戦法です。相手の対応を後手に回らせ、「自分がゲームをコントロールしている」という将棋本来の楽しさを手っ取り早く味わうことができます。

 

昭和のロマン溢れる将棋「鬼殺し」の歴史と名著『升田の研究』

単なるハメ手ではない?升田幸三が体系化した鬼殺しの奥深さ

鬼殺しは単なる街角のハメ手として片付けられがちですが、実はあの伝説の棋士・升田幸三 実力制第四代名人が、その著書『升田の研究』の中で詳細に解説しています。

 

鬼も逃げ出す破壊力」というリズミカルな言葉で始まるこの解説は、単なる手順の紹介にとどまらず、将棋の理屈や駒の効率の良い使い方を学べる素晴らしい指南書となっています。

 

現代のAI評価値では測れない人間同士の心理戦

今の時代、将棋AI(ソフト)に鬼殺しの局面を解析させれば、すぐに「後手(受け側)よし」という評価値が出るでしょう。しかし、将棋は人間同士が盤面を挟んで行う心理戦です。

 

見たこともない奇抜な手を指された時の焦り、一歩間違えれば即死というプレッシャー。AIの数値には表れない泥臭い人間ドラマを生み出してくれるのも、鬼殺しという戦法が持つ昭和からのロマンと言えるでしょう。

 

 

まずはむずかしく考えず、一度ネット将棋やコンピュータ相手に「鬼殺し」を試してみてください。あの爽快に決まった瞬間の興奮を知れば、きっと今よりもっと将棋が好きになるはずです!