渡辺明王将への挑戦者を決める王将戦挑戦者決定リーグ戦の2回戦 豊島将之二冠と藤井聡太二冠の対局が10月5日(月)に行われます。
王将戦挑戦者決定リーグ戦は7人による総あたりのリーグ戦で優勝した棋士が渡辺明王将への挑戦権を獲得。ほかに永瀬拓矢王座、広瀬章人八段、佐藤天彦九段らも参加しています。
1回戦では豊島将之二冠が木村一基九段に勝利したのに対し、藤井聡太二冠は羽生善治九段に敗北。羽生九段が公式戦で藤井二冠に初勝利とニュースにもなりました。
2回戦は藤井二冠にとって挑戦権獲得には負けられない対局となりますが、相手が豊島将之二冠。対戦成績から藤井二冠の天敵と言われている棋士です。
豊島二冠と藤井二冠の公式戦での対局はこれまで5局。
いずれも豊島二冠が勝利しています。その対局内容の詳細が下記。
日付 | 棋戦 | 豊島将之 | 戦型 | 手数 | 藤井聡太 | ||
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2020/9/12 | JT杯本戦T 2回戦 | 後手 | 〇 | 横歩取り | 108手 | ● | 先手 |
2019/10/7 | 王将戦挑決L 2回戦 | 先手 | 〇 | 相掛かり | 171手 | ● | 後手 |
2019/7/23 | 竜王戦挑決T 4回戦 | 後手 | 〇 | 角換わり | 146手 | ● | 先手 |
2019/5/23 | 銀河戦本戦T 11回戦 | 先手 | 〇 | 相掛かり | 105手 | ● | 後手 |
2017/8/24 | 棋王戦挑決T 1回戦 | 先手 | 〇 | 角換わり | 87手 | ● | 後手 |
戦型は角換わり2局、相掛かり2局、横歩取り1局で、先後も豊島二冠が先手番3局、藤井二冠が先手番2局となっています。このいずれもで豊島二冠が勝利しているというわけです。
ちなみに、2019年の銀河戦本戦Tで勝利した豊島将之名人(当時)は決勝トーナメントで優勝、同じく2019年の竜王戦挑決Tも、そのまま豊島名人が挑戦権を獲得し、竜王位を奪取しています。
藤井二冠にとってみれば、一番強い相手に負けたといえるかもしれません。
二人とも愛知県出身というのが共通点です。豊島二冠は愛知県一宮市出身、藤井二冠は愛知県瀬戸市出身。ただし、豊島二冠は5歳のときに大阪府豊中市に引っ越しています。
このため東海出身というよりも関西出身とされ、タイトル獲得は豊島二冠のほうが先だったのですが、藤井二冠がタイトルを獲得したときに、「(藤井が)東海地方にタイトルを持ってきた」と言われました。
なお、豊島二冠はインタビューなどで「阪神ファンです」と公言していて、このあたりからも関西出身色が強く出ています。