コンピューターソフトによって見直された戦型が雁木(囲い)です。
タイトル戦でも登場するなど流行してますよね。
江戸時代からあった指し方なのだそうですが、近年は埋もれていた戦型となっていました。それがソフトの影響により、若手棋士のあいだで最近になって再び指されるように。
どんな戦型なのか調べてみました。
(今回は先手番での雁木を扱っています。)
まずは雁木の基本図を確認。
色がついているところが雁木(囲い)です。
▲5七銀ではなく▲6七銀とすると「ツノ銀雁木」となります。
(この場合は▲2八飛▲2九飛など飛車は2筋が基本)
今回は▲5七銀型の”ノーマル”雁木を取り上げます。
いまさらですが、雁木は「がんぎ」と読みます。
雁木とは、雪国で見られる雪よけの屋根のことです。
金、銀の並びがその形に似ているので雁木と呼ばれるのだとか。
英語ではSnowroofと呼ばれます(こっちのほうが由来がわかりやすいですね)
基本図を見て何かに気がつきませんか?
攻め筋は右四間飛車と基本的に同じなのです。
角筋を通して、4筋から桂馬、飛車で攻める(5七の銀が援軍)。
桂馬は▲2五桂も含みにしているので序盤で▲2五歩としてしまわないのがポイントです。
雁木を右四間飛車の基本図と比べてみると違いは6筋の歩と銀。
▲6七歩▲6八銀だと右四間飛車です。
右四間飛車と雁木の違いは後手からの反撃の際に利いてきます。
雁木も右四間飛車も右桂をさばいて攻めることになります。
となると、後手からの桂馬を持たれての反撃に気をつけなければなりません。
例えば△7六桂打など激痛ですよね。
控えて△6四桂とし、△7六桂と△5六桂を見せられるのもイヤな筋です。
これを消しているのが雁木での▲6七銀というわけです。また後手の8一の桂馬が△7三桂△6五桂と来ても空振り(銀にあたらない)になることが多いのが雁木のメリットでもあります。
雁木の基本図では都合よく▲6五歩と先手の角筋を通せていますが、△6四歩とこれを許さない指し方も後手にはあります。その場合の有効策が三手角。
▲7七角▲5九角▲2六角として、こちらから角をつかう雁木もあります。
この場合も4筋から攻めていくのが基本的な戦い方となります。