2024年度名人第1局終了時点までの藤井聡太八冠のタイトル戦全成績をまとめました。これまで藤井八冠はタイトル戦で98局指していますが、いまだに連敗はなく、現在16連勝中(持将棋あり)。タイトル戦の番勝負では21期連続勝利の新記録達成です。
藤井聡太八冠が全棋士参加の棋戦で初めて優勝したのが第11回朝日杯将棋オープン戦(決勝戦2018年2月17日)。当時、藤井八冠は五段で、準決勝で羽生善治竜王(当時)、決勝で広瀬章人八段(当時)に勝っての優勝でした。
このときが朝日杯には初参加で、一次予選から二次予選、決勝トーナメントとあわせて10連勝での優勝。
翌年も優勝(シードにより決勝トーナメントから参加)して、連勝を14に伸ばしました。
その後も、2020年度、2022年度に優勝。
もともと強い藤井聡太八冠ですが、朝日杯は相性がいい棋戦なんでしょうね。
朝日杯は、いわゆる早指し棋戦(タイトル戦以外の棋戦)の中では持ち時間が長い棋戦です。
朝日杯の持ち時間は各40分+切れたら一手1分以内。
持ち時間の短い将棋でも強い藤井八冠ですが、しっかり考える時間があるほうがより強いということですね。
棋戦名 | 持ち時間 |
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朝日杯将棋オープン戦 | 各40分+切れたら一手1分 |
銀河戦 | 各15分+切れたら1手30秒未満、他に各10分の考慮時間あり |
NHK杯 | 各10分+切れたら1手30秒未満、他に各10分の考慮時間あり |
将棋日本シリーズ JTプロ公式戦 | 各10分+切れたら1手30秒未満、他に各5分の考慮時間あり |
これまで25勝2敗。勝率.926です。藤井八冠にしても、めちゃめちゃ勝ってますね。
2022年度 | 優勝 | ○渡辺明 | ○豊島将之 | ○増田康宏 | ○阿久津主税 |
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2021年度 | ベスト8 | ●永瀬拓矢 | ○船江恒平 | ||
2020年度 | 優勝 | ○三浦弘行 | ○渡辺明 | ○豊島将之 | ○大石直嗣 |
2019年度 | ベスト4 | ●千田翔太 | ○斎藤慎太郎 | ○菅井竜也 | |
2018年度 | 優勝 | ○渡辺明 | ○行方尚史 | ○糸谷哲郎 | ○稲葉陽 |
2017年度 | 優勝 | ○広瀬章人 | ○羽生善治 | ○佐藤天彦 | ○澤田真吾 |
2017年度(二次予選) | (突破) | ○松尾歩 | ○屋敷伸之 | ||
2017年度(一次予選) | (突破) | ○宮本広志 | ○竹内雄悟 | ○大石直嗣 | ○藤岡アマ |
右から左(←)が対局順
藤井聡太竜王・名人の2023年度朝日杯は決勝戦で永瀬拓矢九段に敗れ準優勝でした。
1回戦 | 1/14(日) | 斎藤慎太郎八段 | ○ | 角換わり |
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2回戦 | 1/14(日) | 増田康宏七段 | ○ | 角換わり |
準決勝 | 2/10(土) | 糸谷哲郎八段 | ○ | 後手雁木 |
決勝 | 2/10(土) | 永瀬拓矢九段 | ● | 先手矢倉 |
藤井聡太八冠には升田幸三賞を受賞した△7七同飛成(第31期竜王戦5組ランキング戦決勝、対石田直裕戦)や「AI超え」とも言われた△3一銀(第91期棋聖戦五番勝負第2局、対渡辺明戦)など伝説の一手がいくつもありますが、朝日杯でもそうした手が出ました
第11回朝日杯将棋オープン戦決勝(対広瀬章人八段)の▲4四桂です。
藤井聡太五段時代の一手。
中空の桂と呼ばれる手で、相手の飛車が効いている場所に持ち駒の桂馬を打ちました(詳しい解説はYouTubeなどに載っています)。これで勝負あり。決勝でこうした手が出るのも相性がいい棋戦だからかもしれませんね。