将棋の棋戦に準公式戦なるものができて、ややこしくなったので整理してみました。
公式戦とは、記録として残る対局のことで、昇段規定にある「公式戦100勝(五段への昇段条件)」などにカウントされる対局のことです。この公式戦がタイトル戦と一般棋戦にわかれています(タイトル戦以外が一般棋戦)。
公式戦以外の対局は、これまで非公式戦とよばれていたのですが、ココに準公式戦なるものが出てきました。
ABEMAトーナメントとSUNTORY将棋オールスター東西対抗戦が準公式戦です。
この2つの棋戦は将棋連盟の公式サイトにも棋戦一覧のページに掲載されています。
ただ、公式戦ではないので、昇段規定には適用されないということですね。
準公式戦と非公式戦のなにがちがうかというと、格付けですかね。イベントなどで行われるプロ棋士同士のお好み対局のようなものは非公式戦になりますが、こうした非公式戦よりも格が上ですよというのが準公式戦だと思われます。
将棋連盟から正式な見解が出ていないので、個人的な見解に過ぎないのですが、おそらくそういうことなんだと思います。
準公式戦として公式戦ではないけれども、非公式戦とはちょっとちがいますよ。なので、将棋連盟公式サイトの棋戦一覧にも掲載しています。という準公式戦のスポンサーへの配慮ではないでしょうか。
整理するとこうなります。
公式戦 | タイトル戦 | 竜王戦、名人戦、王位戦、叡王戦、王座戦、棋王戦、王将戦、棋聖戦 |
---|---|---|
一般棋戦 | 朝日杯将棋オープン戦、銀河戦、NHK杯戦、将棋日本シリーズ、達人戦立川立飛杯、新人王戦、加古川青流戦 | |
準公式戦 | ABEMAトーナメント、SUNTORY将棋オールスター東西対抗戦 | |
非公式戦 | イベントでのお好み対局など |
一般棋戦のうち朝日杯将棋オープン戦、銀河戦、NHK杯戦、将棋日本シリーズをすべて制することを一般棋戦グランドスラムと言います。このグランドスラムを初めて達成したのは藤井聡太竜王でした。
この4つ以外の一般棋戦(達人戦立川立飛杯、新人王戦、加古川青流戦)は年齢制限などがあり、出場が限られる
2022年度に藤井聡太竜王が一般棋戦グランドスラムを達成。
2年連続一般棋戦グランドスラムの可能性がまだ残っています。
朝日杯 | 銀河戦 | NNK杯戦 | 将棋日本シリーズ | |
---|---|---|---|---|
参加棋士 | 全棋士 | 全棋士 | 全棋士 | 上位12名 |
持ち時間 | 40分 | 15分 | 10分 | 10分 |
考慮時間 | なし | 1分×10回 | 1分×10回 | 1分×5回 |
1手1分 | 1手30秒 | 1手30秒 | 1手30秒 | |
2022 | 藤井聡太 | 藤井聡太 | 藤井聡太 | 藤井聡太 |
2021 | 菅井竜也 | 菅井竜也 | 豊島将之 | 豊島将之 |
2020 | 藤井聡太 | 藤井聡太 | 稲葉陽 | 豊島将之 |
2019 | 千田翔太 | 豊島将之 | 深浦康市 | 渡辺明 |
2018 | 藤井聡太 | 佐藤天彦 | 羽生善治 | 渡辺明 |
2017 | 藤井聡太 | 久保利明 | 山崎隆之 | 山崎隆之 |
2016 | 八代弥 | 藤井猛 | 佐藤康光 | 豊島将之 |
2015 | 羽生善治 | 深浦康市 | 村山慈明 | 三浦弘行 |
2014 | 羽生善治 | 渡辺明 | 森内俊之 | 渡辺明 |
2013 | 羽生善治 | 稲葉陽 | 郷田真隆 | 久保利明 |
2012 | 渡辺明 | 羽生善治 | 渡辺明 | 久保利明 |
2011 | 羽生善治 | 渡辺明 | 羽生善治 | 羽生善治 |
2010 | 木村一基 | 佐藤康光 | 羽生善治 | 羽生善治 |
2009 | 羽生善治 | 阿久津主税 | 羽生善治 | 谷川浩司 |
2008 | 阿久津主税 | 佐藤康光 | 羽生善治 | 森下卓 |
2007 | 行方尚史 | 渡辺明 | 佐藤康光 | 森下卓 |