来期(2024年度)の王位戦で藤井聡太王位がタイトル防衛に成功すれば、「連続5期」の条件を満たし、「永世王位」の称号を得ることとなります。
永世王位の条件は、「連続5期」もしくは「通算10期」で、これまでの獲得者は、故大山康晴十五世名人、中原誠十六世名人(引退)、羽生善治九段(現役)の3名のみです。
王位戦の挑戦者は、12名による挑戦者決定リーグ戦(紅白にわかれて行う)で決まります。
前期の成績により4名がシードとしてすでに挑戦者決定リーグ入り(佐々木大地七段、羽生善治九段、渡辺明九段、豊島将之九段)。残りの8名の枠をめぐる予選(トーナメント)が行われています。
4勝1敗で藤井王位がタイトル防衛。
日程 | 対局場 | 場所 | 結果 | |
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第1局 | 7月7-8日(金土) | 豊田市能楽堂 | 愛知県豊田市 | ○藤井王位(先手) |
第2局 | 7月13-14日(木金) | 中の坊瑞苑 | 兵庫県神戸市 | ○藤井王位(後手) |
第3局 | 7月25-26日(火水) | 料亭湯宿 銀鱗荘 | 北海道小樽市 | ○藤井王位(先手) |
第4局 | 8月15-16日(火水) | 和多屋別荘 | 佐賀県嬉野市 | ○佐々木大七段(先手) |
第5局 | 8月22-23日(火水) | 渭水苑 | 徳島県徳島市 | ○藤井王位(先手) |
2023年王位戦挑戦者決定リーグの全対局が終了し、紅組優勝は羽生善治九段、白組優勝は佐々木大地七段となりました。両者による挑戦者決定戦は5月18日(木)。勝ったほうが藤井聡太王位への挑戦権獲得となります。
藤井vs羽生のドリームマッチ再びか。
棋聖戦に続いての藤井vs佐々木大か。
注目です。
年度 | 王位 | 挑戦者 | タイトル保持者から見た結果 | |
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2023 | 藤井聡太 | 佐々木大地七段 | ○○○●○ | 防衛 |
2022 | 藤井聡太 | 豊島将之九段 | ●○○○○ | 防衛 |
2021 | 藤井聡太 | 豊島将之竜王 | ●○○○○ | 防衛 |
2020 | 木村一基 | 藤井聡太七段 | ●●●● | タイトル獲得 |
2019 | 豊島将之 | 木村一基九段 | ○○●●○●● | タイトル獲得 |
2018 | 菅井竜也 | 豊島将之棋聖 | ○●○●○●● | タイトル獲得 |
2017 | 羽生善治 | 菅井竜也七段 | ●●○●● | タイトル獲得 |
2016 | 羽生善治 | 木村一基八段 | ●○○●●○○ | 防衛 |
2015 | 羽生善治 | 広瀬章人八段 | ○○●○○ | 防衛 |
2014 | 羽生善治 | 木村一基八段 | ●○持○○●○ | 防衛 |
将棋の場合、プロは四段から。奨励会と呼ばれるプロ棋士養成所の三段リーグを勝ち抜いたものが四段としてプロデビューすることができるのです。
なので、四段はプロの中では最も低い段位です。
上には五、六、七、八、九段がいて、さらにタイトル保持者がいることになります。
ところが、四段のままでタイトルに挑戦したのが平成4年の郷田真隆四段。
プロデビュー3年目の21歳のときでした。
そのタイトルが「王位」です。
将棋のタイトルは現在では8つありますが、もともとは名人だけ。
名人に「王将」と「九段」がタイトルとして加わり三冠時代が続きました。
(九段はかつてはタイトルで、これが発展して十段戦、竜王戦となっています。)
将棋界で4番目にできたのが王位。
昭和34年にタイトルとして創設されました。
王位のタイトルは若い棋士が獲得してきた歴史があります。23歳の高橋五段が昭和58年に、21歳の郷田四段は平成4年に、それぞれ新王位となりました。
四段がタイトルを獲得したのは史上初の出来事。
また、これはこれから先も破られることがない記録です。
というのも、現在は昇段規定が変更になり、タイトル戦の挑戦者となった時点で五段になってしまうからです。なので、「藤井四段」が王位に挑戦することはありえません。
藤井四段は挑戦者になった時点で藤井五段となるからです。なお、将棋の昇段規定はほかにも「四段で100勝したら五段」といったような通算成績によるものもあります。
王位戦(タイトル戦)が行われるのは毎年7月から9月。
真夏の決戦として知られています。
予選はトーナメント+リーグ戦。
トーナメントで勝ち上がった棋士とシードされた棋士が紅白2ブロックに分かれてリーグ戦を行い、紅白リーグ戦の優勝者で挑戦者決定戦が行われます。
紅組、白組にわかれて戦いが繰り広げられるものと言えば紅白歌合戦か運動会を思い浮かべるかもしれませんが、将棋の王位戦も覚えておいてください。