羽生善治九段が七冠独占を達成したのが1995年度(1996年2月14日)でした。
このとき以降の歴代タイトル保持者を一覧にしてみるとこうなります。
タイトル獲得通算99期の羽生九段が圧倒的に多く、竜王、棋王で連覇が長い渡辺明九段が次に多くなっています。
渡辺明九段のタイトル獲得回数は31期で歴代4位の多さ(2位大山康晴十五世名人99期、3位中原誠十六世名人64期)
2018年の棋聖戦で羽生善治棋聖から豊島将之八段が棋聖位を奪取したことで、八大タイトルを8人の棋士が分け合う戦国時代となりました。このときのタイトルホルダーは次の通り。
ちなみに、この年(2018年)の2月に行われた朝日杯将棋オープン戦では藤井聡太五段が初優勝しています(優勝により六段昇段)。この戦国時代からあっという間に藤井時代に。
藤井聡太竜王・名人が初タイトルを獲得したのは、2020年7月の棋聖戦(対渡辺明棋聖)で、その後、王位→叡王→竜王→王将→棋王→名人→王座と八冠独占を達成しました。
順位 | 棋士名 | タイトル獲得回数 |
---|---|---|
1位 | 羽生善治(*) | 99期 |
2位 | 大山康晴 | 80期 |
3位 | 中原誠 | 64期 |
4位 | 渡辺明(*) | 31期 |
5位 | 谷川浩司(*) | 27期 |
6位 | 藤井聡太(*) | 19期 |
7位 | 佐藤康光(*) | 13期 |
(*)は現役棋士
藤井聡太竜王・名人はすでに歴代6位となるタイトル19期を獲得しています。
歴代1位は99期の羽生善治九段で、藤井八冠と羽生九段の差は80期もあります。
八冠を10年間防衛し続けて、やっと届く記録です。
ただ、最短だと10年ちょっとで超える可能性があるというのはスゴイことですね。
将棋のタイトルは序列が決まっていて、現在の序列は1位から竜王→名人→王位→叡王→王座→棋王→王将→棋聖となっています。竜王と名人は八大タイトルの中でも別格とされていますが、序列では竜王→名人の順になっています。
史上最年少で名人となった藤井聡太竜王・名人は「実力制第十六代名人」となります。木村義雄実力制第一代名人から数えて16人目。歴代の実力制名人はこのような方々です。
実力制名人 | 棋士名 | 永世称号 |
---|---|---|
第一代 | 木村義雄 | 十四世 |
第二代 | 塚田正夫 | |
第三代 | 大山康晴 | 十五世 |
第四代 | 升田幸三 | |
第五代 | 中原誠 | 十六世 |
第六代 | 加藤一二三 | |
第七代 | 谷川浩司 | 十七世 |
第八代 | 米長邦雄 | |
第九代 | 羽生善治 | 十九世資格者 |
第十代 | 佐藤康光 | |
第十一代 | 丸山忠久 | |
第十二代 | 森内俊之 | 十八世資格者 |
第十三代 | 佐藤天彦 | |
第十四代 | 豊島将之 | |
第十五代 | 渡辺明 | |
第十六代 | 藤井聡太 |
永世名人の称号は名人位を5期以上保持すると与えられるものです。永世名人位限らず永世称号は引退後に名乗るものなので羽生九段と森内九段は「十九世名人資格者」「十八世名人資格者」となっていますが、谷川九段はこれまでの功績から現役のまま十七世名人を名乗ることが認められています。