将棋のタイトル一覧とタイトル戦の仕組み

将棋のタイトルは全部で8つ

将棋のタイトル一覧とタイトル戦の仕組み

将棋界には全部で8つのタイトルがあり、タイトル戦により対局の持ち時間や挑戦者の決定方法などが異なっています。一覧で見るとこうなります。

将棋のタイトル一覧

タイトル タイトル戦 持ち時間 挑戦者決定最終ステージ 現保持者(2023年9月時点)
竜王戦 七番勝負 8時間(二日制) 【11名】決勝トーナメント 藤井聡太(2期)
名人戦 七番勝負 9時間(二日制) 【10名】A級順位戦 藤井聡太(1期)
王位戦 七番勝負 8時間(二日制) 【12名】挑戦者決定リーグ(紅白) 藤井聡太(4期)
叡王戦 五番勝負 4時間(一日制) 【16名】本戦トーナメント 藤井聡太(3期)
王座戦 五番勝負 5時間(一日制) 【16名】挑戦者決定トーナメント 永瀬拓矢(4期)
棋王戦 五番勝負 4時間(一日制) 【32名】挑戦者決定トーナメント 藤井聡太(1期)
王将戦 七番勝負 8時間(二日制) 【7名】挑戦者決定リーグ戦 藤井聡太(2期)
棋聖戦 五番勝負 4時間(一日制) 【16名】決勝トーナメント 藤井聡太(4期)

現在8つあるタイトルのうち7つを藤井聡太竜王・名人が保持していて、8つめのタイトル「王座」に挑戦中です。

 

タイトルの永世(名誉)称号

タイトルを一定期間保持すると永世(名誉)称号が与えられます。

永世(名誉)称号 条件 保持者(2023年9月時点)
永世竜王 連続5期/通算7期

渡辺明、羽生善治

永世名人 通算5期

木村義雄、大山康晴、中原誠、谷川浩司、森内俊之、羽生善治

永世王位 連続5期/通算10期

大山康晴、中原誠、羽生善治

永世叡王 通算5期
名誉王座 連続5期/通算10期

中原誠、羽生善治

永世棋王 連続5期

羽生善治、渡辺明

永世王将 通算10期

大山康晴、羽生善治

永世棋聖 通算5期

大山康晴、中原誠、米長邦雄、羽生善治、佐藤康光

条件の「/」は「または」の意味。王座のみが永世ではなく名誉となる。

藤井聡太七冠が最も早く手に入れる可能性のある永世称号は永世棋聖で来年(2024年)のタイトル戦で防衛すれば、通算5期の条件を満たし、「永世棋聖」となります。なお王位も来年の防衛に成功すれば連続5期の条件に達し、永世王位となります。

 

持ち時間の微妙なちがいがドラマを生む

タイトル戦が七番勝負となっているのが竜王戦名人戦王位戦王将戦で、五番勝負なのが王座戦棋王戦叡王戦棋聖戦です。

 

同じ七番勝負、五番勝負の中でも持ち時間が微妙に異なります。名人戦9時間(二日制のほかの棋戦は8時間)、王座戦5時間(一日制のほかの棋戦は4時間)と長く、夕食休憩後にも熱戦が続く傾向にあります。

 

一年では挑戦できない唯一のタイトルが名人戦

棋戦ごとに大きく異なるのが挑戦者を決める方法です。一次予選、二次予選などがあり最終ステージでの決定戦となるのですが、この最終ステージがリーグ戦形式のものとトーナメント形式のものがあります。

 

最終ステージに進める棋士が最も少ないのが王将戦で、7名による総当たりのリーグ戦が行われます。このリーグ戦は史上最強のリーグ戦とも呼ばれています。

 

一方、名人戦の挑戦者決定は順位戦で行われます。

 

この順位戦は上からA級、B級1組、B級2組、C級1組、C級2組とクラスがわかれていて、一年間をかけて、クラスの中でリーグ戦を行います。名人位に挑戦できるのはA級での優勝者

 

このため、どれだけ勝ち続けてもB級1組以下にいる棋士は、その年に名人に挑戦することが出来ません。これが他の棋戦にはない名人戦ならではの特徴となっています。