将棋のタイトル一覧とタイトル戦の仕組み

将棋のタイトル戦は全部で8つ

将棋のタイトル一覧とタイトル戦の仕組み

将棋界には全部で8つのタイトル(八冠)があり、タイトル戦により対局の持ち時間や挑戦者の決定方法などが異なっています。一覧で見るとこうなります。

 

藤井聡太竜王・名人が王座のタイトルを獲得したことで、八冠すべてを藤井聡太竜王・名人が保持することになりました。これからは八冠防衛戦。だれが藤井八冠の牙城を崩すのかに注目です。

 

将棋のタイトル一覧

タイトル 番勝負 持ち時間 挑戦者決定最終ステージ 現保持者(2024年1月時点)
竜王 七番勝負 8時間(二日制) 【11名】決勝トーナメント 藤井聡太(3期)
名人 七番勝負 9時間(二日制) 【10名】A級順位戦 藤井聡太(1期)
王位 七番勝負 8時間(二日制) 【12名】挑戦者決定リーグ(紅白) 藤井聡太(4期)
叡王 五番勝負 4時間(一日制) 【16名】本戦トーナメント 藤井聡太(3期)
王座 五番勝負 5時間(一日制) 【16名】挑戦者決定トーナメント 藤井聡太(1期)
棋王 五番勝負 4時間(一日制) 【32名】挑戦者決定トーナメント 藤井聡太(1期)
王将 七番勝負 8時間(二日制) 【7名】挑戦者決定リーグ戦 藤井聡太(2期)
棋聖 五番勝負 4時間(一日制) 【16名】決勝トーナメント 藤井聡太(4期)
タイトルの序列

将棋のタイトルには序列があり、序列1位は竜王。以下、名人→王位→叡王→王座→棋王→王将→棋聖となっています。序列は賞金により決まり、3位以降は入れ替わることがありますが、序列1位の竜王と序列2位の名人は別格とされ順位は変わりません。

 

今後のタイトル戦

王将戦の日程(挑戦者は菅井竜也八段)

藤井聡太王将への挑戦者が菅井竜也八段に決まりました。

日程 対局場 場所 結果(勝者)
第1局 1月7日(日)8日(月) ホテル花月 栃木県大田原市 ○藤井王将(後手)
第2局 1月20日(土)21日(日) 大幸園 佐賀県上峰町 ○藤井王将(先手)
第3局 1月27日(土)28日(日) さんべ荘 島根県大田市 ○藤井王将(後手)
第4局 2月7日(水)8日(木) オーベルジュときと 東京都立川市
第5局 2月17日(土)18日(日) 山水館 大阪府高槻市
第6局 3月9日(土)10日(日) 掛川城二の丸茶室 静岡県掛川市
第7局 3月30日(土)31日(土) 白瀧呉服店 東京都練馬区

2023年度叡王戦も両者によるタイトル戦となり、このときは藤井叡王が3勝1敗でタイトルを防衛しました。

 

棋王戦の日程(挑戦者は伊藤匠七段)

日程 対局場 場所
第1局 2月4日(日) 新川文化ホール 富山県魚津市
第2局 2月24日(土) 北國新聞会館 石川県金沢市
第3局 3月3日(日) 新潟グランドホテル 新潟県新潟市
第4局 3月17日(日) 日光きぬ川スパホテル三日月 栃木県日光市
第5局 3月26日(火) 東郷神社 東京都渋谷区

2023年度竜王戦も両者によるタイトル戦となり、このときは藤井竜王が4勝0敗でタイトルを防衛しました。

 

2023年度タイトル戦の結果

名人戦 藤井聡太竜王が4勝1敗で名人獲得(対渡辺明名人)
叡王戦 藤井聡太叡王が3勝1敗で叡王防衛(対菅井竜也八段)
棋聖戦 藤井聡太棋聖が3勝1敗で棋聖防衛(対佐々木大地七段)
王位戦 藤井聡太王位が4勝1敗で王位防衛(対佐々木大地七段)
王座戦 藤井聡太竜王・名人が3勝1敗で王座獲得(対永瀬拓矢王座)
竜王戦 藤井聡太竜王が4勝0敗で竜王防衛(対伊藤匠七段)
王将戦 七番勝負中(藤井聡太王将 vs 菅井竜也八段)
棋王戦 五番勝負2/4開幕(藤井聡太棋王 vs 伊藤匠七段)

 

戦型は居飛車中心(2023年度)

2023年度のタイトル戦の戦型で最も多かったのは角換わりが8局で、次に多いのが相掛かりの6局です。基本的に居飛車が多いのですが、振り飛車党の菅井竜也八段が叡王戦で挑戦者になったこともあり、今年度は対抗形の将棋も6局(千日手局含む)ありました。

 

タイトルの永世(名誉)称号

タイトルを一定期間保持すると永世(名誉)称号が与えられます。

永世(名誉)称号 条件 保持者(2023年9月時点)
永世竜王 連続5期/通算7期 渡辺明、羽生善治
永世名人 通算5期 木村義雄、大山康晴、中原誠、谷川浩司、森内俊之、羽生善治
永世王位 連続5期/通算10期 大山康晴、中原誠、羽生善治
永世叡王 通算5期
名誉王座 連続5期/通算10期 中原誠、羽生善治
永世棋王 連続5期 羽生善治、渡辺明
永世王将 通算10期 大山康晴、羽生善治
永世棋聖 通算5期 大山康晴、中原誠、米長邦雄、羽生善治、佐藤康光

条件の「/」は「または」の意味。王座のみが永世ではなく名誉となる。

藤井聡太八冠が最も早く手に入れる可能性のある永世称号は永世棋聖で来年(2024年)のタイトル戦で防衛すれば、通算5期の条件を満たし、「永世棋聖」となります。なお、王位も来年の防衛に成功すれば連続5期の条件に達し、永世王位となります。

 

持ち時間の微妙なちがいがドラマを生む

タイトル戦が七番勝負となっているのが竜王名人王位王将で、五番勝負なのが王座棋王叡王棋聖です。

 

同じ七番勝負、五番勝負の中でも持ち時間が微妙に異なります。名人戦9時間(二日制のほかの棋戦は8時間)、王座戦5時間(一日制のほかの棋戦は4時間)と長く、夕食休憩後にも熱戦が続く傾向にあります。

 

一年では挑戦できない唯一のタイトルが名人

棋戦ごとに大きく異なるのが挑戦者を決める方法です。一次予選、二次予選などがあり最終ステージでの決定戦となるのですが、この最終ステージがリーグ戦形式のものとトーナメント形式のものがあります。

 

最終ステージに進める棋士が最も少ないのが王将戦で、7名による総当たりのリーグ戦が行われます。このリーグ戦は史上最強のリーグ戦とも呼ばれています。

 

一方、名人の挑戦者決定は順位戦で行われます。

 

この順位戦は上からA級、B級1組、B級2組、C級1組、C級2組とクラスがわかれていて、一年間をかけて、クラスの中でリーグ戦を行います。名人位に挑戦できるのはA級での優勝者

 

このため、どれだけ勝ち続けてもB級1組以下にいる棋士は、その年に名人に挑戦することが出来ません。これが他の棋戦にはない名人位ならではの特徴となっています。

 

タイトルの格付け(竜王と名人は別格)

将棋界に8つあるタイトルのうち竜王名人は、ほかの6つよりも格上とされています。
このため、将棋の免状にも竜王と名人だけが会長以外では署名を行うことになっています。

 

この署名を行うことも竜王、名人の仕事のひとつです。また棋士の肩書も、竜王か名人を保持していれば、ほかのタイトルを持っていても「〇〇竜王」「〇〇名人」となります。

 

二冠三冠という呼び名は竜王、名人以外のタイトルを複数持っているときに使われるものです。
竜王と名人以外のタイトルを持っていても、〇〇二冠ではなく、〇〇竜王と呼ばれます。

 

ちなみに、竜王と名人を両方持っている場合は、竜王・名人とよばれ、現在の藤井竜王・名人がこのケースです。

 

将棋タイトルの創設順

タイトル 創設年 備考
名人 1937年 最も歴史のあるタイトルが名人位
九段(現竜王) 1950年 1962年に十段、1988年に竜王へと発展
王将 1951年 升田幸三実力制第四代名人、大山康晴十五世名人が三冠達成
王位 1960年 大山康晴十五世名人が四冠達成
棋聖 1962年 大山康晴十五世名人が五冠達成。1994年まで年2回(前期・後期)開催
棋王 1975年
王座 1983年 羽生善治九段が七冠達成
叡王 2017年

 

タイトル戦と一般棋戦

将棋の公式戦にはタイトル戦のほかに一般棋戦と呼ばれるものがあります。
こちらはタイトルホルダーのような位置づけはなく、その都度、トーナメントで優勝者を決定するものです。

 

この一般棋戦でも藤井八冠は2022年度に四大一般棋戦のグランドスラム達成など輝かしい成績を納めています。

 

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