タイトル戦でも出るか?山崎流あの手この手

タイトル戦でも出るか?山崎流あの手この手

藤井曲線 vs 山崎曲線)棋聖戦がまもなく開幕

将棋界の「山ちゃん」こと山崎隆之八段が棋聖戦(藤井聡太棋聖)の挑戦権を獲得しました。

 

山崎八段がタイトル戦に登場するのは2009年度王座戦以来(当時は山崎七段)。
このときは羽生善治王座に0勝3敗で敗れ、タイトル獲得とはなりませんでした。

 

2009年度王座戦(羽生善治王座vs山崎隆之七段)の戦型
先手 戦型 後手
第1局 ●山崎隆之七段 相掛かり ○羽生善治王座
第2局 ○羽生善治王座 角換わり ●山崎隆之七段
第3局 ●山崎隆之七段 横歩取り ○羽生善治王座

 

雌伏15年、山崎流がタイトル戦に帰ってきた

1981年生まれの山崎隆之八段が前回タイトル戦に挑戦したのは28歳のとき。
棋士として脂の乗り切ってる時期でもありました。

 

ところが、タイトル戦では3連敗。
次のチャンスが来るまでに、15年の歳月がかかってしまいました。

 

ただ、この間に磨き上げた山崎流の指し方
だれにもマネできず、だれにもマネされない、独自の将棋観からくりだされる指し手は見ていて楽しいですよね。

 

プロの将棋を見て、自分もやってみたいと思える将棋が山崎流です。
実際には素人がマネするととんでもない目にあうんですけどね。

 

指しこなせないのがわかっていても、指してみたくなっちゃう。
それが山崎隆之八段の将棋なんですよね。

 

AIよりも感性、観る将ファンより指し将ファン

AIが悪いわけではないのですが、みんな同じような将棋になってしまうとつまらないんですよね。
そこで、AI全盛時代にAIによる研究よりも感性を大事にしている山崎隆之八段の出番です。

 

見て楽しいもありますが、さらにマネしてみたくなる面白さ。
山崎ファンは観る将ファンより指し将ファンが多い気がします(私もそうです)。

 

いまからワクワク。
タイトル戦が待ち遠しくなってきました。

 

棋聖戦)山崎隆之八段の勝ち上がり

第95期棋聖戦(2024年)に山崎隆之八段は二次予選から参加。

二次予選1回戦 北浜健介八段 先手で対三間飛車に居飛車で勝利
二次予選2回戦 糸谷哲郎八段 後手で角換わり腰掛銀で勝利
二次予選決勝 松尾歩八段 先手で相掛かりで勝利
決勝トーナメント1回戦 森内俊之九段 先手で相掛かりで勝利
決勝トーナメント2回戦 渡辺明九段 後手で一手損角換わりで勝利
決勝トーナメント準決勝 永瀬拓矢九段 先手で相掛かりで勝利
決勝トーナメント決勝 佐藤天彦九段 後手で対向かい飛車に居飛車で勝利

先手番のときは居飛車党に相掛かりの真っ向勝負で勝ってます。

 

棋聖戦(藤井聡太棋聖vs山崎隆之八段)の日程

棋聖戦は持ち時間各4時間の五番勝負です。

日程 対局場 場所 結果
第1局 6月 6日(木) 龍宮城スパホテル三日月 千葉県木更津市
第2局 6月17日(月) 高志の宿 高島屋 新潟県新潟市
第3局 7月 1日(月) 亀岳林 万松寺 愛知県名古屋市
第4局 7月10日(水) ホテルニューアワジ 兵庫県洲本市
第5局 7月23日(火) 沼津御用邸東附属邸第1学問所 静岡県沼津市

 

藤井曲線か山崎曲線か

AIによる形勢判断のグラフがゆるやかに上昇して勝ち切るのが藤井曲線と呼ばれるものですが、対して山崎曲線とは形勢がWの文字のようにジグザクに揺れ動いて最後に勝つというもの。今回の棋聖戦ではどちらが見られるかに注目です。