2017年棋聖戦(羽生vs斎藤)第2局の戦型を振り返る

2017年棋聖戦(羽生vs斎藤)第2局の戦型を振り返る

戦型観戦記(2017年棋聖戦第2局 羽生vs斎藤)

2017年6月17日に行われた羽生善治棋聖vs斎藤慎太郎七段がの棋聖戦第2局。
6月1日に行われた1局目相矢倉で後手の羽生棋聖が勝利。

 

2局目はどのような戦いだったのか戦型、仕掛け局面を中心に振り返ります。

 

戦型は角換わり

羽生棋聖の先手で▲7六歩△8四歩▲2六歩△3二金と進行。
後手の斎藤七段が10手目に△7七角成として角換わりとなりました。

 

【第1図】

2017年棋聖戦第2局戦型

 

この後、最近の角換わりでは主流の▲4八金▲2九飛(△6二金△8一飛)型へ。
後手の斎藤七段は△5二玉△6一玉△7二玉と右玉に組み換え先手からの仕掛けを待ちます。

 

先手が仕掛ける直前に後手から反発

先手の羽生棋聖が53手目に▲4七角と自陣に角を打ち、▲5五歩からの仕掛けを見せたタイミングで、後手が△4四歩と先に仕掛けました(第2図)。

 

【第2図】54手目△4四歩

2017年棋聖戦第2局仕掛け局面

 

羽生棋聖は予定通り▲5五歩。
7筋の桂頭を狙う攻めです(▲7五歩〜▲7四歩など)。

 

斎藤七段は羽生棋聖の狙いに対し△5五同歩から△5六角と打ち込んで角交換を強制し、この狙いを防ぎました。

 

2度の▲4五角で攻める

本局で羽生棋聖は2度の▲4五角打を実行。
71手目と83手目。

 

7二の後手玉の筋に入っているこの角が良く利いて攻めがつながりました。
斎藤七段も9筋〜8筋から反撃し、龍を作ったものの届かず。

 

125手▲8三銀で投了となりました。

 

【投了図】125手▲8三銀

2017年棋聖戦第2局投了図

 

これで対戦成績は羽生棋聖2勝0敗
棋聖戦は五番勝負なので、斎藤七段は早くも次局がカド番となりました。

 

タイトル戦初挑戦の斎藤七段の巻き返しにも期待したいところです。