将棋散歩 〜遊び駒でもイイじゃない〜

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  • 将棋通でも知らない使ってみたくなる将棋川柳BEST3
    将棋通でも知らない使ってみたくなる将棋川柳BEST3ゴロのいい将棋の格言って使ってみたくなりますよね。ただ、聞いたことがあるベタなものばかりだと飽きてしまいます。そこで、将棋通でもあまり知らない将棋川柳の中で使ってみたくなるものを選んで見ました。本能寺 端の歩をつく ひまはなしゴロが良くて使ってみたくなる将棋川柳です。パッと聞いて意味が想像できるのもイイところ。【意味】もはや局面が「本能寺の変」のような一大事になっているのだから、端の歩なんかついてる場合ではない。横歩取りとかで序盤から一気に終盤に突入したときなんかに使ってみたくなる川柳です。まるまる「本能寺 端の歩をつく ひまはなし」と言ってもイイですし、「こりゃもう『本能寺』だね」なんて、この川柳を前提に使ってみるのもオシャレです。ただ、この川柳には別の意味(解釈)もあります。【意味その2】織田信長のような気の短い人間は端の歩をつくような余裕がない。こちらは織田信長のことを本能寺と言っているわけです。オダノブナガだと6文字なので、ホンノウジの5文字にしたんですね。「鳴かぬなら 殺してしまえ ホトトギス」の織田信長を将棋で例えてみたともいえます。ただ、織田信長は短気ではなかったなんて研究もありますよね。個人的には最初の意味のほうが使いやすいので好きです。飛車角が みんな成り込む 一ノ谷こちらも歴史的な出来事を取り入れた将棋川柳です。一ノ谷とは源平合戦の「一ノ谷の戦い」のこと。源義経が、鵯越(ひよどりごえ)の逆落としを行った戦です。【一ノ谷の戦い(鵯越の逆落とし)】断崖絶壁に立った源義経が地元の漁師の「鹿が通れる道はありますが、馬は通れません」との言葉に対し、「鹿が通れるなら、馬も通れる」と言って、馬で駆け下りた戦い。飛車や角が一気に敵陣に成り込んだときに使ってみたい川柳。久保王将のサバキが決まったときとか使うとツウっぽいですよね。一ノ谷の「一」とかけて一筋に飛車角が成り込むことがあればベストなのですが、プロ間でスズメ刺しが指されることはなくなってしまったので、あまりなさそうですね。それだけに一筋に飛車角が成り込んだときは、ココぞとばかりに使ってみたい川柳です。入玉に なって桂馬の 持ちぐさり「桂馬の高跳び、歩の餌食」とか桂馬に関する格言は多いですよね。桂馬が出てくる川柳で好きなのはコレ。入玉になって2段目に玉が入られてしまうと、桂馬の出番はないですよね。「桂馬さえあれば詰むのに」という局面は良くありますし、「三桂あって詰まぬことなし」とも言われるように、詰めの局面で桂馬は重要なコマですが入玉になってしまうと宝の持ち腐れ。良い駒でも使うタイミングを間違えるなよ!という意味です。以上、3つピックアップしてみましたみました。ベタなものに飽きたら、こちらも良かったら使ってみてください。本能寺 端の歩をつく ひまはなし飛車角が みんな成り込む 一ノ谷入玉に なって桂馬の 持ちぐさり
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  • 借金取りの両取りヘップバーン(豊川語録で覚える将棋)
    借金取りの両取りヘップバーン(豊川語録で覚える将棋)往年の女優オードリー・ヘップバーンのことを知らない小学生でも、将棋好きなら知ってるのが豊川ダジャレの代表作「両取りヘップバーン」です。話すときは「リョウドリー」と伸ばしたほうが雰囲気が出ますよね。将棋用語で「両取り」とは、2つの駒を取れる状態になっていることです。プロの実戦で見る「両取りヘップバーン」プロ棋士の対局でも、両取りの手は出てきます。それだけに、使い勝手がいいんですよね。では、実戦で見てみます。まずは、2017年の王座戦第2局。羽生善治王座と中村太地六段の対局です。羽生王座の「キリマンジャロ」に対する、中村六段の「両取りヘップバーン」第1図:△3三桂第1図は先手羽生王座の▲2二歩に対し、中村六段が△3三桂とした局面。ここから羽生王座が▲7三角成と角を「キリマンジャロ」。(キリマンジャロの解説はこちらから)以下、△7三同金に▲4四飛と先手の羽生王座が銀を取ったところで中村六段の「両取りヘップバーン」が出ます。第2図:両取りヘップバーン△2六角この△2六角が▲3七桂と▲4四飛の両取りになっているというわけです。「キリマンジャロ」に対して「両取りヘップバーン」で返すなんて、豊川語録ファンにはたまらない展開でした。借金取りの「両取りヘップバーン」上の実戦では角と桂馬の両取りでしたが、飛車と金の両取りだと、別名「借金取り(飛車金取り)」となります。これも豊川ダジャレです。実戦で見てみます。2017年の王座戦第4局。同じく羽生善治王座と中村太地六段の対局です。第3図:▲8六銀第3図は△8六歩▲同歩△同銀▲同銀と進んだ局面。ここで中村六段は△同飛車ではなく、借金取りの「両取りヘップバーン」を仕掛けます。△4五銀で桂馬を入手して、▲4五同歩に対して、△3六桂(第4図)。第4図:借金取りの両取りヘップバーン△3六桂この手が▲2八飛と▲4八金の両取りになっているというわけです。飛車と金の両取りはプロの実戦ではあまり見られません。タイトル戦で出たというのは、かなり貴重なシーンだったと思います。
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  • 対局勘じゃなくて大局観(将棋用語のイロハ)
    対局勘じゃなくて大局観初心者が解説を聞いていて最もカン違いしやすい将棋用語が「大局観」です。初めて「タイキョクカン」と聞いて思い浮かぶ文字は「対局勘」ではないでしょうか。スポーツでも「試合勘」とか使われますよね。アレと同じような感じで。将棋の場合は、タイキョクカンと言えば「大局観」のことです。よーく解説を聞くと「対局勘」のイントネーションとは違っています。では、この大局観とはどんな意味なのでしょうか?大局観とは大局観とは、広い視野・視点で形勢判断をする能力のことですプロ棋士の対局は読みと読みのぶつかり合いです。こう来たら、こう指す。こう来るから、こう指す。相手の手を読んで、自分の指し手を決めます。ただ、これが行き過ぎると局所的な有利を求めがちになってしまいます。「木を見て森を見ず」となってしまうことがあるのです。そこで、大局観。攻め続けているときに、守りの手を指す敵陣を攻撃する前に自陣を引き締める盤面の右側で戦いが起こっているときに、左側の駒を動かすこうした指し手が大局観に基づいた指し手と言われます。広い視野・視点で現状を認識したうえで、今後の方向性を決めているのです。大局観は棋士それぞれによって違う大局観という言葉は解説の中では次のように使われます。これは大局観が現れた一手ですね●●先生は独特の大局観をお持ちになっている振り飛車党ならではの大局観に基づいた手ですね大きな戦略を決めることにもなるのが大局観です。棋士ひとりひとりの個性が出る一手でもあるのです。誰もが今は攻めるときと思った局面で守りの手を指す。その棋士の大局観がなせる業です。それが「正解」かどうかは、その後の展開次第。勝敗の分かれ道となることが大局観に基づいた手です。なので、解説で「大局観」という言葉が出てきたら、ここが見どころと思うと観戦がより楽しくなります。注意して聞いてみてください。大局観を英語にすると…ちなみに、大局観を英訳すると「wide perspective」が一般的。perspectiveは「考え方」「見方」「展望」といった意味の英語です。wideが「幅広い」なので、「幅広い考え方」といったところでしょうか。個人的には、この英語はイマイチ。「wide perspective」より「big picture」のほうが「大局観」の英訳としてはピンときます。日本語で「画をかく」という表現もありますよね。その感覚に近いかもしれません。マメ知識でした。
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  • 待望の手番が回ってきた(将棋用語のイロハ)
    待望の「手番」が回ってきた「待望の手番が回ってきましたね」というように使われるのが「手番」です。将棋は一手ずつ交互に指すので、待ってれば「手番」は回ってきそうですが、解説で使われるときの「手番」には単なる指す順番以外にも深い意味があります。相手が長考していたので、やっと自分の順番になったという意味だけではないのです。今回はこの将棋用語を解説してみたいと思います。手番とは単に次にどちらが指す順番かの意味で「手番」を使っても間違いではありません。「いまは先手の手番なので、次の手は…」なんて解説もあります。この「手番」が特に重視されるのは終盤です。将棋の形勢判断のポイントは3つ。「駒の損得」「玉の固さ」そして「手番」です。序盤から中盤にかけて「駒の損得」が重視されるのに対し、終盤は「手番」が重視されます。将棋は相手より一手早く敵の玉を詰ませばイイからです。1.先手が王手をかける2.後手が王手をかける3.先手が後手の王を取る4.後手が先手の王を取るとなれば、「3」の段階で先手の勝利が確定します。「ウラの攻撃」で後手も王を取ったんだから「引き分け」なんてことはありません。将棋には野球のような「ウラの攻撃」などないのです。このため、どちらが指す順番かの「手番」が重要というわけです。主導権を握っているという意味での手番次にどちらが指す順番かという意味ではなく、主導権を握っているほうを指して「手番」を握っているということもあります。「待望の手番が回ってきましたね」というのは、こちらの意味の「手番」です。先手が攻めの手を指す。それに対して、後手が受けの手を指す。再び先手が攻めの手を指す。後手は再びその手に対する受けの手を指す。この状態は先手が「手番を握っている」といいます。後手が先手の指し手を無視して、自分の好きな手を指せない状態でいることを表しています。例えば、後手は攻めたいと思っていても、先手に王手をされてしまったら、その王手に対応する手(玉が逃げる逃げる等)を指さなければなりません。手番が回ってくるとは受けてるほうに手番が回ってくるのは攻めが緩んだとき。攻め手が攻め駒を引き上げたときや当面の危機が回避できたときなどです。「待望の手番が回ってきた」というわけです。ラブビーで言えばターンオーバーでボールを獲得した状態です。ここからどう攻めるか?腕の見せ所でもあります。観戦してるほうとしては見どころとなります。「手番」が回ってきたときの指し手に注目してみてください。
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  • 駒得・駒損、使ってナンボ(将棋用語のイロハ)
    駒得・駒損、使ってナンボ(将棋用語のイロハ)中盤の形勢判断に使われるのが「駒得(駒損)」です。解説では「先手がだいぶ駒得してますね」というように使われます。今回はこの「駒得(反対からいうと駒損)」について説明してみたいと思います。駒得とは将棋の駒は全部で8種類です(王将、飛車、角行、金将、銀将、桂馬、香車、歩)。この8種類の駒は、その価値に違いがあります。最も価値が高いのは「王将」。あたり前ですね。これが取られたら負けなので価値が高いというよりも別格です。残りの駒を価値の高い順に並べると次のようになります。飛車>角行>金将>銀将>桂馬>香車>歩。王将以外で価値が最も高いのは飛車で、最も低いのが歩です。このため飛車と歩が交換になったら、飛車をもらったほうがだいぶ得です。これが駒得というわけです。中盤になると駒がぶつかり合って、取り合いになります。そのときの形勢判断としてどちらが駒得したかというのがポイントになります。初心者でも形勢判断しやすいので、いまどちらが駒得しているかという視点から観戦してみてください。プロ同士の対局だと派手に駒を取り合っているように見えても、どたらも駒得していない(互角)ということがよくあります。将棋の見方として覚えておくと観戦がより楽しめます。駒台が通帳に見えてくる将棋を指し始めた初心者のころは駒が増えるのが楽しくて仕方ありません。持ち駒が増えていくのは預金残高が増えていくようなもの。駒台が通帳のように見えてきたりします。増えるのを眺めてニヤニヤなんて。ただ、墓場まで預金を持っていくことはできませんよね。将棋でも同じ。終局時に駒台に駒があっても仕方ありません。最後に王将を取ったほうが勝ちなのです。王将以外の駒は持ち続けても意味がないのです。いつ、どう使うかが腕の見せ所。駒得から駒損になるタイミングは、「決め」に行くタイミングと重なることも少なくありません。また、ずっと駒損でも「やりくり上手」で勝ちにつなげる指し方もあります。こうした見方も知っておくと、将棋が一段と楽しくなります。
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  • 詰めろって誰に命令?(将棋用語のイロハ)
    詰めろって誰に命令してるの?(将棋用語のイロハ)将棋を覚えたてのころ、違和感があった用語が「詰めろ」です。日本語として「詰めろ」って命令形のようにに聞こえますが、解説では「この手は詰めろですね」「これは詰めろになってませんね」なんて名詞のような使い方をしています。ヘンですよね。この用語を解説してみたいと思います。詰めろとは…詰めろとは、このまま何もしなければ詰まされてしまう状態のことです。王手とは違います。王手のひとつ前の段階です。詰めろは、次にこちらの手番になったら「王手」をかけて詰ますという意味です。王手をしたからと言って、必ずしも詰むわけではありませんよね。詰めろは王手をしていけば必ず詰む状態になっていることを指します。初心者向けの解説に「詰めろは次の一手で詰む状態」と記載されているものもありますが、「次の一手で」とは限りません。3手、5手…と長手数かかっても、詰まされてしまうなら「詰めろ」です。「詰めろ」とは対局相手への命令だったで、なぜ「詰めろ」と命令形なのか?これは対局相手に命令しているのです。「さぁ、オレの玉を詰めてみろ、そうでなければ、おまえの玉を詰ますぞ」と。対局相手に「詰めてみろ」と迫ってるわけです。なかなか挑戦的ですよね。実際に口に出されたら、カチンとくるに違いありません。ただ、「詰めろ」と対局者が口に出すことはありません。あくまで盤上で相手にそう問いかけてるわけです。詰めろへの対応「詰めろ」と迫られたときの対応は2つ。詰ますか詰めろから逃れるかです。詰ますことは、即詰みに討ち取るなんて言い方もします。ちょっとカッコいいですよね。プロの攻防では詰めろから逃れるときも技が飛び交います。その代表が「詰めろ逃れの詰めろ」。自玉(自分の王様)の詰めろを回避しながら、相手玉に詰めろをかける一石二鳥のような手が「詰めろ逃れの詰めろ」です。そんな手があるんですね。「詰めろ逃れの詰めろ」に対して、さらに「詰めろ逃れの詰めろ」で切り返すなんて応酬も。終盤の攻防の見どころなので注目してみてください。
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  • キリマンジャロとは(豊川ダジャレで覚える将棋用語)
    キリマンジャロとは(豊川ダジャレで覚える将棋用語)キリマンジャロと聞いて山を思い浮かべるのは将棋の面白さを知らない人です。コーヒーでもダメ。キリマンジャロと言えば、豊川七段の解説で出てくるダジャレの代表作のことです。将棋で「切る」とは将棋用語で「切る」とは、大駒(飛車か角)を小駒(金銀桂香歩)と自ら交換しに行く手のことです。飛車で行くときは「飛車切り」、角なら「角切り」という言い方をします。この「切り」と「キリ」マンジャロがかかってるというわけですね。語尾が「ジャロ」なので、「そうじゃろ」「これでどうじゃろ」のようなお爺さん言葉を連想させて、なかなか使い勝手がいい将棋ダジャレとなっています。ちょっとマジメな将棋解説そもそも、なぜ飛車や角を「切る」のでしょうか。大駒のほうが価値が高いので、駒の損得だけで言えば損な手です。なぜ、損な手を指すのか?答えは、損した以上に得することがあるからです。プロ棋士の実戦で見てみましょう。藤井聡太四段のプロ公式戦2戦目。相手は「キリマンジャロの生みの親」豊川孝弘七段です。第1図:△5三同玉第1図は先手の藤井聡太四段が▲4五の桂を▲5三桂成としたのに対し、後手の豊川孝弘七段が△5三同玉とした局面です。ここで藤井四段のキリマンジャロが出ます。第2図:▲2二飛成(飛車のキリマンジャロ)▲2二飛成と銀を取った手が飛車のキリマンジャロ。この飛車は△同金と取り返されてしまいます。先手が取った駒は銀、後手が取った駒は飛車。先手は飛車を捨てて、飛車よりも価値が低い銀を取ったことになります。先手藤井四段の狙いは△2二同金のあとの▲3一角。ここに角を打つことで、王手金取りになり、攻めが続くというわけです。駒の価値だけでみると損となる「キリマンジャロ」が出るときは、その後の攻めが続くとみている場合が多いです。将棋観戦ではキリマンジャロ後の構想にも注目してみてください。連続キリマンジャロで最後の抵抗自陣が不利になったため、最後の抵抗でキリマンジャロを出すこともあります。これもプロの実戦で見てみます。第3図はタイトル戦の棋聖戦(2017年)。先手斎藤慎太郎七段対後手羽生善治棋聖戦です。第3図:▲5二金この局面で後手の羽生棋聖には有効な受けの手がありません。そこで、最後の反撃と連続キリマンジャロで攻めます。第3図:△8八馬(馬のキリマンジャロ)まずは△8八馬と王手で銀を取るキリマンジャロ。▲8八同銀に対して、今度は龍のキリマンジャロ(第4図)第4図:△8九龍(龍のキリマンジャロ)以下▲8九同玉△7九桂成▲同玉△7八銀▲同玉△2三角と王手龍取りをかけるも▲6七桂と受け、後手が龍を取ったあとで、先手が後手玉を寄せきりました。終盤でのキリマンジャロが逆転につながるとドラマチックですが、プロの実戦ではなかなかありません。ただ、なかなかないだけに、たまにあるとイイもの見た気分になるものです。
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