居玉は避けよは「豊島vs藤井」でも成立するのか？

2021年の竜王戦は豊島将之竜王対藤井聡太三冠の七番勝負となります。この二人は2021年に王位戦、叡王戦でもタイトル戦の番勝負を戦っていて、竜王戦が3回目。

 

2人の対局を調べてみて、ちょっとした発見がありました。
それは居玉率です。

 

居玉のままで何手目まで進めたのか。二人とも居飛車党で急戦を仕掛けることもあるので、居玉のまま仕掛けることも少なくないのですが、その勝敗はどうなのでしょうか？

 

「居玉は避けよ」は成立するか？

豊島竜王と藤井三冠の2021年タイトル戦での対局結果は次の通りでした。

「居玉が長い方」の勝敗は3勝7敗。ただし、3勝のうち1勝は居玉の差が先後の差による1手のみもあり、最も差が大きいものでも5手です。

 

10手以上相手よりも長く居玉で突っ張り続けると負けてしまうということになります。
ただし、10局では母数が少ないので、タイトル戦以外の2人の対局も調べてみました。

 

タイトル戦以外でも傾向は同じでした。
「豊島vs藤井」以外のタイトル戦はどうでしょうか？

 

2021年棋聖戦（藤井聡太棋聖vs渡辺明名人）

 

2020年棋聖戦（渡辺明棋聖vs藤井聡太七段）

 

2020年王位戦（木村一基棋聖vs藤井聡太七段）

ここでは「豊島vs藤井」の法則「10手以上相手よりも長く居玉を続けると負ける」は成り立ちません。居玉のまま100手以上指し続けて勝った対局もあるぐらいです。

 

2020年竜王戦（豊島将之竜王vs羽生善治九段）

2020年の竜王戦第1局は相居玉のまま終局を迎えるという大乱戦でした。

 

2020年名人戦（豊島将之名人vs渡辺明三冠）

豊島竜王の場合も対藤井戦の法則はあてはまらず、相手より長く居玉を続けても勝っている対局があります。

 

豊島vs藤井では「居玉は避けよ」なのか？

こうしてみると「豊島vs藤井」以外のタイトル戦では居玉のまま戦い続けても勝つことができますが、「豊島vs藤井」となると相手よりも長く居玉のままでいると勝てません。

 

ただ、あくまでサンプルは10局。
竜王戦ではどうなるのか注目です。