村田システムという将棋の戦法を最近、知りました。村田顕弘六段が開発した指し方なのですが、これ斬新。相手が居飛車でも振り飛車でも、出来ちゃう戦法で、駒組まで覚えることが少ないのがメリット。居飛車党なんだけど横歩取りが苦手なんだよな…という人にとって(私がそうでした)、村田システムは救世主。
「鬼も逃げ出す 破壊力」とリズムのいい七五調の小見出しで鬼殺し戦法の解説が始まるのが「升田の研究」。升田幸三による将棋の指南書(単なる解説本ではありません)です。
棋譜だけでなく文章からも升田幸三の切れ味が感じられる名著です。
「相手がどうでも桂は飛べ」
「まんまと誘いの隙に乗る」
「餌を見せておびき出す」
といった声に出して読みたくなる文が散りばめられ、
「先に手を出したからには、徹底的につぶしてしまうのが勝負に勝つコツだ。」
と教えを説いています。まさに指南書。
読んでいるだけで升田の世界に引き込まれます。
読み手を飽きさせないのも升田ならでは。
「この手から後手の地獄が始まる」なんて、ミステリー小説みたいですよね。
早く先を知りたい!気がつけば、グイグイと升田の研究に引き込まれています。
また、戦法の解説書としてもコンパクトにポイントがまとめられていて実践的。
など現在のネット将棋で使ってみたくなる手もあります。
「これで勝てないようなら、もう私は面倒見切れん。勝手にせいということになる。」
こんな書き方が許されるのは升田幸三だけですよね。
升田にちょっとでも興味があったらぜひ読んでみてください。
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「過去の棋士ともし対局できるとしたら、誰とやりたいか?」と質問されれば、私は迷わずに、升田幸三先生と答えるだろう。(出典「決断力」羽生善治著)