次のタイトル戦は4月20日(土)に行われる叡王戦第2局 藤井聡太叡王vs伊藤匠七段になります。現在、藤井八冠は名人戦と叡王戦のダブルタイトル戦となっています。藤井八冠は、叡王戦第1局(4/7)→名人戦第1局(4/10-11)→叡王戦第2局(4/20)→名人戦第2局(4/23-24)→叡王戦第3局(5/2)と対局が続きます。
藤井四段の公式戦連勝記録がストップした一局を戦型、仕掛け局面を中心に振り返ってみます。藤井四段のプロ公式戦初黒星となったのは対佐々木勇気五段戦。
竜王戦挑戦者検定トーナメント2回戦での一局でした。藤井四段は1回戦で増田四段に勝利し、4組優勝の佐々木勇気五段と対局することとなりました。
30連勝なるかと注目を集めた一局でもあります。
振り駒により佐々木勇気五段の先手で始まりました。
佐々木五段の先手で▲2六歩△8四歩▲2五歩△8五歩▲7八金△3二金▲3八銀△7八銀と相掛かり模様に進んで、端歩を突きあった後に先手が▲6八玉としたのが工夫。
後手の藤井四段が先に飛車先の歩を交換し、△8四飛と四段目に飛車を引きました(第1図)。
お互いに角道を開けて、先手が飛車先の歩を交換し、▲3六歩とした局面で藤井四段が△8四歩とあわせて仕掛けます。△7六飛と横歩を取るのが後手の狙いです。
藤井四段が狙い通り△7六飛と横歩を取る展開となりましたが、先手も▲3四飛と横歩を取ることに。以下、▲8二歩〜▲9五歩と佐々木五段が攻勢に出ます。
後手の飛車が7筋なので▲8二歩が取れないのがポイント。
△9七桂と逃げるも▲9五歩から攻めて佐々木ペースとなりました。
以下、佐々木五段がリードを活かしたまま終盤に突入。
藤井四段も勝負手や怪しい手で迫りますが101手目▲3二飛で投了。
終局時刻は21時31分。
藤井四段にとっては公式戦で初の敗戦となりました。
この対局に関しては佐々木五段のほうが一枚上手だったという印象です。
連勝がストップした話題の対局になったこともあり、今後もこの2人の対局は盛り上がりそうですね。近い将来、タイトル戦で見られるかもと思うとワクワクします。