角頭歩(先手番)での指し方をプロの実戦棋譜をもとに開設

角頭歩(先手番)での指し方をプロの実戦棋譜で学ぶ

先手番での角頭歩の指し方をプロの実戦棋譜をもとにまとめてみました。

 

最近、流行しているのは後手番の角頭歩ですが、ここでは先手での指し方を見てみます。第66回NHK杯(2016年度)準決勝でも佐藤康光九段が先手番で用いています。

 

まずは、基本図から確認していきます。

 

角頭歩(先手番)の基本的な指し方

▲7六歩△3四歩に▲8六歩!とするのが角頭歩宣言(第1図)。
3手目に文字通り、角の頭の歩をつく指し方です。

 

第1図:▲8六歩まで

 

はじめてこんな手を見たら、△8四歩とつきたくなりますよね。
△8四歩だとどうなるのでしょう。

 

以下、▲2二角成△同銀▲7七桂(第2図)。
角交換をして▲7七桂で後手の飛車先を受けることとなります。

 

第2図:▲7七桂で後手の飛車先を受ける

 

ただ、ここでも後手に気になる手が。
△8七角から馬をつくる狙いにはどう対処すれば良いのでしょうか?

 

△8七角には▲6五角が用意の一手(第3図)。
これで△7六角成を防ぐとともに、▲4三角成を見せています。

 

第3図:▲6五角

 

ここで△5二金右とすれば▲7八銀で角を取りに行きます。

 

▲7八銀に△6四歩と角の取り合いを仕掛けてきたら▲4三角成(第4図)。
角を取り合うのは取り合った後の陣形の差+一歩得で先手が有利。

 

第4図:▲4三角成

 

▲4三角成に△7八角成と角を切ってきても、▲5二馬が王手。
この変化も金銀交換となり先手よしです。

 

と、ここまでが基本図。
プロの戦いではこうはなりません。

 

どうなるのでしょうか?
実践譜で見てみます。

 

第66回NHK杯準決勝での佐藤康光九段による角頭歩

まずは第66回(2016年度)NHK杯準決勝、佐藤康光九段対佐藤天彦名人の一戦。
先手番の佐藤九段が▲7六歩△3四歩▲8六歩として角頭歩に。

 

プロの実践譜ではここで△4四歩とする穏やかな指し方(第24期王将戦 米長対中原など)もありますが、NHK杯での佐藤名人△8四歩

 

以下、▲5六歩△4二玉と進んで第5図。

 

第5図

 

ここで▲2二角成と角交換をしてから▲8八飛として向かい飛車に構えました。
以下、駒組みが進んで、仕掛け局面が第6図。

 

第6図:△9四角

NHK杯での角頭歩

 

この局面の直前に先手の佐藤九段が▲7七桂として▲8五歩からの仕掛けをみせたことで、後手の佐藤名人が持ち駒の角を△9四角とし7六の歩に狙いを定めました。

 

以下、先手は▲6六の銀と▲4二の金が攻撃に参加。
馬を作って、飛車も成り込む展開となり、最終的に169手で先手の勝ちとなりました。

 

角頭歩から向かい飛車+穴熊としたのが佐藤九段のNHK杯での指し方です。
これはアマでも参考になりそうですね。

 

第76期順位戦での佐藤康光九段による角頭歩

2017年7月に行われたA級順位戦でも佐藤九段は先手番で角頭歩を指しています。
相手は三浦弘行九段。どんな展開だったのかみてみます。

 

初手から▲7六歩△3四歩▲8六歩。
ここで後手の三浦九段は△4二玉としました。

 

対して、佐藤九段は▲2二角成と角交換。
以下、△同銀▲8八銀△3二金▲7七銀△7二銀▲8八飛と向かい飛車に。

 

角頭歩から▲7七銀型での向かい飛車という展開になりました。
数手進んだ局面が第7図。

 

第7図:△4五角

A級順位戦での角頭歩

 

▲2七歩▲6七歩の両取りを受ける手はありません。
馬を作らせて指そうという指し方です。

 

以下、力戦系の一局となり、最終的には136手で後手番の三浦九段が勝利しました。
馬を作らせて指さすというのは素人がマネして指すのは難しそうな感じがします。

 

以上、佐藤九段の先手番での角頭歩実戦棋譜を取り上げてみました。

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