名人戦で斎藤慎太郎八段に着目する3つの理由

名人戦で斎藤慎太郎八段に着目する3つの理由

名人戦で斎藤慎太郎八段に着目する3つの理由

2022年の名人戦は渡辺明名人に斎藤慎太郎八段が挑戦します。
2年連続同一カードとなった番勝負の注目ポイントを斎藤慎太郎八段側からまとめてみました。
名人戦第1局の対局場(椿山荘)

2年連続で名人に挑戦するのは羽生、米長に続く快挙

2年連続で名人位に挑戦した棋士は意外と少なく、直近では2012年-2013年の羽生善治三冠(当時)以来です(森内俊之名人に挑戦)。その前は1979-1980年の故米長邦雄王位。

 

2年続けて挑戦者になるということは、2年続けてA級順位戦で1位の成績を取らなければなりません。それだけでも相当な実力者ですよね。

 

斎藤慎太郎八段は2期続けてA級順位戦で8勝1敗という成績を残しています。
A級に昇級してから通算で16勝2敗。後は名人に勝つだけというところまで来ています。

 

斎藤八段は名人獲得の適齢期

斎藤慎太郎八段は1993年4月21日生まれの28歳。
今回の名人戦の途中で29歳の誕生日を迎えます。

 

この30歳手前というのは名人初獲得の適齢期なんです。

 

過去に名人位を初めて獲得したときの年齢を調べると、佐藤康光28歳、丸山忠久29歳、佐藤天彦28歳、豊島将之29歳(敬称略)と30歳手前が何名もいます。

 

さかのぼると大山康晴十五世名人も名人位を初獲得したのは29歳のときでした。
藤井五冠の活躍で最年少名人の記録が着目されていますが、名人適齢期は30歳手前です。

 

斎藤八段にとっては、ちょうどのタイミングですね。

 

「4強」以外の棋士のタイトル獲得なるか?

いわゆる4強棋士(藤井聡太五冠、渡辺明名人、永瀬拓矢王座、豊島将之九段)がタイトルを独占する状況が続いています。4強棋士以外がタイトルを持っていたのは木村一基九段が最年長で初タイトルを獲得した2019年が最後になります。

 

その前の2018年度は8大タイトルを8人が分け合う戦国時代(このときの王座は斎藤慎太郎)。
戦国時代から4強時代へ。

 

そして、藤井時代が来るのか?というタイミングで迎える名人戦です。
斎藤八段が藤井時代に「待った」をかけ、新時代を切り拓くのかにも注目です。